みたまま感想:世界にひとつのプレイブック[2/22]
素敵ー!
ブラッドリー・クーパーって,やっぱりとってもいい俳優。
監督:デヴィッド・O・ラッセル(「ザ・ファイター」)
主演:ブラッドリー・クーパー(「ハングオーバー!」)
ジェニファーローレンス(「ハンガーゲーム」)
あらすじ
躁鬱と診断され,精神病院から退院した高校教師のパット。ある日妻と同僚の不倫現場を目撃し,その場で同僚を暴行し精神病院に入院させられた彼は,退院後の妻との復縁を願い,「より高く(excelsior)」を掲げ努力するも,接近禁止のため妻にもあえない。薬も飲みたくない。父親はノミ屋(賭け事)で迷信的だし,母親は心配性。うまくいかない。
そんなある日,妻と共通の友人に誘われ夕食会に招かれたパットは,夫をなくし精神的に不安定なティファニーと出逢う。最初はちぐはぐででこぼこ,ぎこちない2人。パットはティファニーに妻との文通の橋渡しを交渉。 ティファニーは「一緒に社交ダンス大会に出る」ことを条件に,手紙を受け取るが・・・
感想。
・この映画に出会えてよかったと心から思う。
・個人的に辛いところが多かった。
・メンタリティの脆さは,誰しもが抱えうる。妻からのプレッシャー,こどもからのプレッシャー,家,金,仕事,愛。だれしもがそこから逃げることが出来ずに,発散方法を探している。
・妻に隠れて聞くメタリカだったり,夫のお金で家の内装にムダに凝ることだったり,アメフト観戦だったり,下手だけど一生懸命なダンスだったり。それが本当に好きっていう人もいるけど,本当の目的はそれらを通じて人と楽しむことなんじゃないかとおもう。
・でも発散方法が間違ってしまったら,それは他人を傷つける。そして自分をも,傷つけ,その過去から人は簡単には抜け出せない。
・主人公パットは,異常なまでに妻に執着し,それが普通だと思ってる。ふつうじゃないんだけど。妻がなんで不倫したかっていうのはやっぱりパットに原因がありそうなんだけど,自分じゃなにがおかしいか根本的にわかってない感じ。もっと優しくなるよ,もっと良い夫になるよ,妻と自分は今でも愛し合ってるよって言い聞かせるように何度も繰り返す。一方通行なんだけど。
・ティファニーは自分が普通じゃないことがよくわかってる。だからひねくれちゃってる。でも自分自身をしっかり,わかってる。だからこそパットをちゃんと受け止めようとしてる。
・この二人のすっごい優しい人生の回復。一方通行同士がちょっと目があって,手が触れて,息があって,タイミングと気持ちと足りないものが合わさって,救われる。
・ほりさげた映画じゃないけど,なんでかとても澄んだ気持ちになる。
・たぶん自分たちの経験が,少なからず重なるからかも。
・ジェニファーローレンスは若いのによく頑張ったなあっておもう。もう怖いもの無しだね。若さ故の脆さがとってもキュートだった。
・ジェニファーローレンスのエロい体。もうエロい!!エロエロ!!あんな体になりたい!!
・ブラッドリー・クーパーもほんっっとにいい俳優。大好きになった。もとから好きだけどね!こんな演技ができたんだね。もっともっと見たい。
・出演者全員がとっってもキュートで,チャーミングで,バカっぽくて,いい映画だ。デニーロ父ちゃん。
・いいとこで絶対出てくる警官ww
【ひとりごち】
・個人的な人生の変遷とすこし重なっていたので,ものすごく同調してしまいました。一人じゃ生きていけないけど,自暴自棄になるしか自分を慰められない感じ。それが「自暴自棄」だなんて気づかないで,「普通」だと思っていた自分の愚かさ。それをちゃんと受け止めてくれる人たちの存在の大切さ。そういうことを思い出しました。
・わたしにとってのパットやティファニーやパットの家族や友人たちが浮かんできて,ものすごい気持ちになりました。グッと来ました。全員当てはまる人が居るんですよね。不思議なもんです。
・こういう気持ちが「映画体験」のひとつの醍醐味だとあらためて感じました。
・カップルにおすすめです!!!!!!!!(こんなこと初めて言いました。私はひとりで見に行きました)
評価
★★★★★!!
おすすめ客層
・人生暗闇の人
・彼氏彼女夫婦親子
・エロい体目的の人
・ブラッドリー・クーパー好きな人
・全員!!!
おすすめない人
・離婚中の人
・別れたばかりの人
・発狂してる人
toho六本木ヒルズ sc7(スクリーン7だったんだよね,初日ならではだわ。)
【追記と注意喚起】
・じわーっとはしたものの,私の過去のアブナイ感じのスイッチがひさびさに入って数日間は冷や汗モノだったため,過去に精神的においつめられたり,とち狂っちゃったひとは,すこし覚悟と気構えが必要だと思います。自分を見てるみたいになるんで。
・私はいろんな要因があるとおもうんですけど,メランコリニスタに変身し3日間上昇気流にのれませんでした。躁鬱です。
・そういう意味では,これを評価する人間というのはやっぱどっかアブナイんだとおもいますよ笑。アカデミー会員含めて。
・ ってことはですよ。作中の二人も,この先再発する可能性はあるわけですよ。そういう,「明るい未来」とは違う映画なんです。
・何一つ解決してないし,何一つ改善(良くなってはいるか)はしてない,不穏まみれの映画なんです。怖いんですよ。
・頭のなかまっちろけにしてダマされてください。